SSHクライアントからリモート操作で遠隔ログインすることを前提としてDebianをPCにインストールする。
Debianのダウンロード
Debian公式サイト(日本語)から「Debian 10.0 (64 ビット PC ネットワーク インストーラ) のダウンロード」(32ビットの場合は後述)で「debian-10.0.0-amd64-netinst.iso」がダウンロードされる。
もしくは、Debian公式サイト(日本語)の本文中程にある「Debian を入手する」から「CD/USB ISO イメージ」→「HTTP を使って CD/DVD イメージをダウンロードする」→「公式の安定版 (stable)リリース用 CD/DVD イメージ」→「CD」の「amd64」(32ビットの場合は「i386」)→「debian-10.0.0-amd64-netinst.iso」(32ビットの場合は「debian-10.0.0-i386-netinst.iso」)でダウンロードする。
各種ファームウェアを含むイメージをダウンロードしたい場合は、Debian公式サイト(日本語)の本文中程にある「Debian を入手する」から「CD/USB ISO イメージ」→「HTTP を使って CD/DVD イメージをダウンロードする」→「公式の安定版 (stable)リリース用 CD/DVD イメージ」→「CD」の「amd64」(32ビットの場合は「i386」)→「Non-free Firmware」から「/cdimage/unofficial/non-free/cd-including-firmware/」→「10.0.0+nonfree/」→「amd64/」(32ビットの場合は「i386/」)→「iso-cd」→「firmware-10.0.0-amd64-netinst.iso」(32ビットの場合は「firmware-10.0.0-i386-netinst.iso」)でダウンロードする。
Win32 Disk Imagerのダウンロード
ダウンロードしたDebianをWindows上でUSBメモリに書き込むために、Debian公式サイトの「CD/DVD/BD イメージを USB flash ドライブに書き込むにはどうやればいいのでしょうか?」で案内されているWin32 Disk Imagerをダウンロードする。
Win32 Disk Imager公式サイト(英語)から「Files」→「Download Latest Version」で「win32diskimager-1.0.0-install.exe」がダウンロードされる。
Win32 Disk Imagerのインストール
- win32diskimager-1.0.0-install.exeを実行する
- この不明な発行元からのアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?が出たら、はい
- License Agreementが出たら、I accept the agreementを選択して、Next
- Select Destination Locationが出たら、Next
- Folder Existsダイアログが出たら、はい
- Select Start Menu Folderが出たら、Next
- Select Additional Tasksが出たら、Next
- Ready to Installが出たら、Install
- Completing the Win32DiskImager Setup Wizardが出たら、Finish
DebianのCD/USB ISOイメージをUSBメモリに書き込む
- 512MB以上のUSBメモリを取り付ける
- スタート メニュー→Image Writer→Win32DiskImager
- ユーザー アカウント制御が出たら、はい
- DeviceからUSBメモリのドライブを選択
- Image Fileのフォルダアイコンを押す
- Disk Images (*.img *.IMG)を*.*に変更する
- debian-9.8.0-amd64-netinst.isoを、開く
- Writeボタンを押す
- Writing to a physical device can corrupt the device.が出たら、Yes
- Write Successful.が出たら、OK
- Exitボタンを押す
※balenaEtcher等で書き込んでも良い。
セキュアブートの無効化とUSBメモリからの起動
インストールするPCにDebianのCD/USB ISOイメージを書き込んだUSBメモリを取り付ける。
起動時にF2やDelete、F10等を押してBIOS設定を開き、セキュアブートの項目があれば無効にする。また、USBメモリからの起動に必要な項目があれば設定する。
USBメモリからの起動が最優先になっている場合は何もしなくても良いが、そうでない場合は起動時にF8やF10、F11等を押してブートメニューを開き、USBメモリを選択して起動する。
Debianのインストール
- Debian GNU/Linux 10.0.0が出たら、Debian GNU/Linux UEFI Install menuからInstallを選択(もしくは、Debian GNU/Linux installer menu (BIOS mode)が出たら、Installを選択)
- Select a languageが出たら、LanguageからJapanese - 日本語を選択
- 場所の選択が出たら、国・領土・地域から日本を選択
- キーボードの設定が出たら、利用するキーマップから日本語を選択
- ネットワークハードウェアの検出で、リムーバブルメディアから見つからないファームウェアをロードしますか?が出たら、いいえ(※通常は出ずに次に進む、もしくは各種ファームウェアを含むイメージの場合は出ずに次に進む)
- ネットワークの設定が出たら、ホスト名を任意に書き換えて、続ける
- ネットワークの設定が出たら、ドメイン名は空欄のまま、続ける(※ドメイン名を指定したい場合は入力する)
- ユーザとパスワードのセットアップが出たら、root のパスワードは空欄のまま、続ける
- ユーザとパスワードのセットアップが出たら、確認のため、再度パスワードを入力してくださいは空欄のまま、続ける
- ユーザとパスワードのセットアップが出たら、新しいユーザの本名 (フルネーム)は空欄のまま、続ける
- ユーザとパスワードのセットアップが出たら、あなたのアカウントのユーザ名を任意に入力して、続ける
- ユーザとパスワードのセットアップが出たら、新しいユーザのパスワードを選んでくださいを任意に入力して、続ける
- ユーザとパスワードのセットアップが出たら、確認のため、再度パスワードを入力してくださいは先ほどのパスワードを入力して、続ける
- ディスクのパーティショニングが出て、UEFI インストールを強行しますか?が出たら、はい(※通常は出ずに次に進む)
- ディスクのパーティショニングが出たら、パーティショニングの方法からガイド - ディスク全体を使うを選択
- ディスクのパーティショニングが出たら、パーティショニングするディスクの選択から起動したUSBメモリ以外のインストール先を選択
- ディスクのパーティショニングが出たら、パーティショニング機構からすべてのファイルを 1 つのパーティションに (初心者ユーザには推奨)を選択
- ディスクのパーティショニングが出たら、これはあなたの現在の設定済みパーティションとマウントポイントの概要です。…いずれかを選択してください。と表示されているので、パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込みを選択
- ディスクのパーティショニングが出たら、ディスクに変更を書き込みますか?と表示されているので、はいを選択
- パッケージマネージャの設定で、インストール CD または DVD を検査しました; ラベルは:が出たら、いいえ(※USBメモリから起動した場合は出ずに次に進む)
- パッケージマネージャの設定が出たら、Debian アーカイブミラーの国から日本を選択
- パッケージマネージャの設定が出たら、Debian アーカイブミラーからdeb.debian.orgを選択
- パッケージマネージャの設定が出たら、HTTP プロキシの情報 (なければ空)は空欄のままで、続ける
- popularity-contest を設定していますが出たら、Debian パッケージ利用調査に参加しますか?と表示されているので、いいえを選択
- ソフトウェアの選択が出たら、インストールするソフトウェアの選択はSSH サーバのみにチェックを付けて、他のチェックはすべてはずして、続ける
- ハードディスクへの GRUB ブートローダのインストールが出たら、マスターブートレコードに GRUB ブートローダをインストールしますか?と表示されているので、はいを選択(※UEFIブートした場合は出ずに次に進む)
- ハードディスクへの GRUB ブートローダのインストールが出たら、ブートローダをインストールするデバイスからインストール先と同じデバイスを選択(※UEFIブートした場合は出ずに次に進む)
- インストールの完了が出たら、インストール完了と表示されているので、起動したUSBメモリを取り外してから、続ける
- debian login: が出たら、インストール時に入力したユーザ名を入力して、Enter(※debianの部分はインストール時に設定したホスト名が表示される)
- Password: が出たら、インストール時に入力したユーザのパスワードを入力して、Enter
- xxxxxxxx@debian:~$ が出たら「ip addr」を入力して、Enter(※xxxxxxxxの部分はユーザ名が表示される)
- 「 inet 」から「/」の間に表示されたIPアドレス(127.0.0.1でない方)を確認する
- Windows上からTera Term、PuTTY等のSSHクライアントで確認したIPアドレスに接続する
パッケージの更新
apt-get updateでパッケージ一覧リストの更新、apt-get upgradeでインストール済みパッケージの更新を行う。スーパーユーザ権限が必要なので、sudoコマンドで実行する。sudoコマンドの初回実行時は現在のユーザのパスワードの入力を求められる。
更新した結果、不要なパッケージがあると出た場合は「sudo apt-get autoremove -y」で削除する。カーネル等が更新された場合は「sudo reboot」で再起動する。(電源を切る場合は「sudo poweroff」で行える。)
sudo apt-get update sudo apt-get upgrade -y
mDNSのインストール
IPアドレスでなく、ホスト名で接続できるようにmDNSをインストールする。Windows 10の古いバージョンやWindows 8.1以前を使用している場合は、mDNSに対応していないので、iTunesもしくはBonjourのみをインストールしておく必要がある。
sudo apt-get install -y libnss-mdns
※以後「ホスト名.local」で接続できるようになる
IPアドレスの固定割当
例えば、IPアドレスとして192.168.0.100、サブネットマスクとして255.255.255.0、デフォルトゲートウェイとして192.168.0.1、DNSサーバとして8.8.8.8を割り当てたい場合、/etc/network/interfaces の「iface enp4s0 inet dhcp」(enp4s0の部分にはネットワークアダプタ名が入る)の「dhcp」を「static」に書き換えて、「address 192.168.0.100」でIPアドレスを指定、「netmask 255.255.255.0」でサブネットマスクを指定、「gateway 192.168.0.1」でデフォルトゲートウェイを指定する設定を追加する。DNSサーバは /etc/resolv.conf に「nameserver 8.8.8.8」の内容で作成する。複数のDNSサーバを指定する場合はnameserver行を複数記述する。
sudo sed -i".bak" -e 's/dhcp/static/' /etc/network/interfaces cat < 'EOF' | sudo tee -a /etc/network/interfaces address 192.168.0.100 netmask 255.255.255.0 gateway 192.168.0.1 EOF cat < 'EOF' | sudo tee /etc/resolv.conf nameserver 8.8.8.8 EOF