Windows XPプリインストールPCからインストール用CDを作る

ThinkPad X40などにプリインストールされたWindows XPはインストール用CDが付いていないので、クリーンインストールが出来ない。リカバリCDでは工場出荷状態に戻るだけ。
でも、ハードディスク内にWindows XPのインストール時に使うファイル群を収めたi386フォルダがあれば、これをCDに焼いてクリーンインストールが出来るみたいなのでやってみた。
CDから起動させるためにはブートイメージが必要になるけど、ThinkPadならRescue and RecoveryのCDを作るメニューが[スタート]→プログラム→Access IBM→レスキュー・メディアの作成にあるので、ここで作成するCDからブートイメージを吸い出して流用することが出来る。(Rescure and RecoveryがWindows XPベースのOSであるWindows PEで動いているから流用できるんだと思う。)
ブートイメージが入手できない場合は、MicrosoftからWindows XPインストール用FDが6枚組で提供されているので、これを使えばブートイメージを含まないインストール用CDでもクリーンインストールが出来るハズ。

ブートイメージの取得

BBIEってツールで吸い出せる。解凍したらbbie.exeのショートカットを作ってプロパティを開き、リンク先の末尾にスペースを空けてWindows XPのインストールCD(が無いので今回はRescue and RecoveryのCD)を入れたドライブ名(今回はDドライブなので「D:」)を追記して、このショートカットをダブルクリックで実行すると、image1.binの名前でブートイメージが取得できる。

インストールCDに収めるファイルの準備

インストールCDに収めるファイルを格納する適当なディレクトリを作る。今回はCドライブの直下にcdrootってフォルダを作って作業した。このフォルダにブートイメージを取得したファイル(今回はimage1.bin)をコピーしておく。
まずはCドライブの直下にあるi386フォルダをcdrootフォルダにコピーした後、i386フォルダ内のBOOTFONT.BINをcdrootフォルダにコピーする。
次にメモ帳を開いて「Windows 」(最後は半角スペース)とだけ入力してEnterキーを押して改行した後に「名前を付けて保存」で適当な名前を付けて保存。10バイトのファイルが出来上がる。これをそれぞれ「WIN51」、「WIN51IP」、「WIN51IP.SP2」の名前でcdrootフォルダにコピーする。(Home Editionの場合はWIN51IPの箇所をWIN51ICにする。SP1の場合は.SP2の拡張子を.SP1に、Service Packが当たっていない場合は.SP2のファイルは必要ない。)
これでcdrootフォルダ内は、i386フォルダと、WIN51、WIN51IP、WIN51IP.SP2、BOOTFONT.BIN、image1.binの各ファイルが揃った状態になっているハズ。

インストール用CDの作成

CDRecord フロントエンドを起動して、「フォルダ構造からISOイメージを構築する」を選択し、ISO9660レベルと入力文字コードを「ISO9660 Lv.4」に変更して、「ブータブル(システム起動可能)にする」にチェックを入れる。ISOイメージの構築元ディレクトリにcdrootフォルダを指定して、El Torito準拠ブートイメージにcdrootフォルダ内のimage1.binを指定、「El Torito準拠 非エミュレーションモードを使用する」にチェックを入れる。(お好みで「ブートイメージを全てのファイルシステム上から隠す」にチェックを入れても良いかも。)ボリュームIDは無くてもいいのかも知れないけど一応正規の日本版Windows XP Professional (SP2) OEMと同じ「VRMPOEM_JA」を指定。ISOイメージの出力先はcdrootフォルダ内でなければ、どこでもいいのでCドライブの直下にでも「VRMPOEM_JA.ISO」の名前で指定。
ISOイメージの構築が終わったら、再びCDRecordフロントエンドの「ディスクイメージをメディアに書き込む」で、ディスクに書き込むイメージファイルに先ほど作成したISOイメージファイル(Cドライブ直下に作った「VRMPOEM_JA.ISO」)を指定して、CDへの書き込みを実行する。

インストールCDを使ってみる

BIOSでCDがHDDよりも先に起動するようになっていることを確認してから、作成したインストールCDを入れて電源ON。「Press any key to boot from CD....」と表示されたら、Enterキーなどの適当なキーを押す。青い背景に白い文字でインストールCDの起動が行われ、しばらく待つと日本語でインストール開始のメニューが表示される。とりあえず、ここまで確認したので本日は一旦終了。
後日、インストールCDを使って実際にインストールを行ってみた。途中、プロダクトキーの入力を求められるが、インストールCDのI386フォルダにあるUNATTEND.TXTの[UserData]の項目に書かれたProductKey=に続く文字列をプロダクトキーとして入力すれば、ThinkPadにプリインストールされたSLP版のWindows XPライセンスを使うことになるのでアクティベーションがいらない。
ちなみにUNATTEND.TXTは自動応答ファイルそのものなので、winnt.sifに名前を変えておけばプロダクトキーの入力などが自動的に行われるんじゃないかと思う。