GALAXY S II LTE(docomo SC-03D)にAndroid 4.4を導入

SC-03Dはドコモ端末であるが故にWi-Fiテザリングがspモード専用なので格安SIM等でテザリングが使えなかったり、不要なアプリが多かったり、Android 4.0.4までしかバージョンアップ出来ないので、Android 4.4.4ベースのカスタムROMであるCyanogenMod 11を入れてみることにした。
基本的にはSC-03DをPCからまるごと書き換えられるOdinでリカバリー領域にカスタムリカバリーのCWMを導入、CWMでブート領域とシステム領域にCyanogenModとGAppsを導入するだけ。元に戻す場合はOdinを使ってドコモ純正の初期ROMをまるごと導入する。

初期ROMのダウンロード

Cyanogen Mod 11は元々入っているドコモ純正のAndroid 2.3(バージョンアップしてる場合はAndroid 4.0)をまるごと消して入れることになるので、いざって場合に備えて元に戻せるようにドコモ純正の初期ROMをダウンロードする。初期ROMはSC-03Dが最新版でなければKiesでダウンロードする方法があるが、既に最新版にバージョンアップしている場合は後述のOdinのダウンロードを参照。

Odinのダウンロード

初期ROM等を導入する際に必要となるOdinは、主な配布元であるXDA DevelopersからOdin 3.07がダウンロード出来るが、現時点の最新版となるOdin 3.09はリンクが削除されていてダウンロード出来ないので、りでぃすとりびゅ〜しょん | Odin3 Ver.3.09の使い方?からダウンロードさせてもらった。
他にもSamMobileからFIRMWARE→Check your firmwareと選択して、ModelからSC-03D - GALAXY S II、Product CodeからJapan - DCMを選択してCheck firmwareで表示される右側のDownloadをクリック→ページ下部にあるOdin v3.09からもダウンロード出来る。尚、このページから初期ROMもダウンロード出来る(SamMobileにメールアドレス等を登録してアカウント取得した上でログインが必要)。

初期ROMの導入

Odinで初期ROMがちゃんと導入出来るか確認しておく。OdinはSC-03DとWindowsパソコンをmicroUSBケーブルで接続して使うので、ドライバとしてKiesもしくはUniversalAdbDriverをインストールしておく。

  1. SC-03Dの電源を切る(シャットダウンする)。
  2. 音量(上)と音量(下)を押しながら電源を押し続けてバイブが動作するかdocomoロゴが表示されたら電源から手を離して、Android system recoveryもしくはCWM-based Recoveryのメニューが表示されるまで音量(上)と音量(下)を押し続ける。以後、音量(上)と音量(下)でメニューを選択してホームボタンもしくは電源ボタンで決定する。
  3. wipe data/factory reset→Yes
  4. wipe cache partition→Yes(※CWM-based Recoveryの場合、advanced→wipe dalvik cache→Yes→+++++Go Back+++++も行う)
  5. reboot system nowを選択したらすかさず音量(小)を押し続けて「警告!!」が出たら手を離して音量(大)を押す。
  6. ODIN MODEと表示されているのを確認して、WindowsパソコンとmicroUSBケーブルで接続する。
  7. Odin(Odin v3.09の場合はOdin3 v3.09.exe)を起動して、「ID:COM」に「0:[COM5]」といった表示や、「Message」に「 Added!!」といった表示がされていればSC-03Dを認識していることになる。
  8. APをクリックする(Odin v3.07以前はPDA)。
  9. 初期ROMのファイル(例:SC03DOMMP5_SC03DDCMMP5_SC03DOMMP5_HOME.tar.md5)を選択して開くと、ファイルのチェックが始まるので「Message」に「Checking MD5 finished Sucessfully..」が表示されるまで待つ。
  10. Startをクリックすると初期ROMの導入が始まるので「Message」に「 All threads completed. (succeed 1 / failed 0)」が表示されるまで待つ。
  11. ExitをクリックしてOdinを終了させる。
  12. microUSBケーブルを抜く。

CWMのダウンロード

CyanogenModの導入にはCWM(ClockworkMod)Recoveryが必要になるが、ClockworkMod公式にはSC-03D用のものが無いので、kernel & Custom ROM フォーラムでHomuHomu氏がSC-03D用にビルドして配布してくれているver 6.0.4.7をダウンロードする。

CWMの導入

初期ROMと同様にCWMを導入する。

  1. SC-03Dの電源を切る(シャットダウンする)。
  2. 音量(下)を押しながら電源を押し続けて「警告!!」が出たら手を離して、音量(大)を押す。
  3. ODIN MODEと表示されているのを確認して、WindowsパソコンとmicroUSBケーブルで接続する。
  4. Odin(Odin v3.09の場合はOdin3 v3.09.exe)を起動して、「ID:COM」に「0:[COM5]」といった表示や、「Message」に「 Added!!」といった表示がされていればSC-03Dを認識していることになる。
  5. APをクリックする(Odin v3.07以前はPDA)。
  6. CWMのファイル(例:SC03D-CWM-V6.0.4.7-recovery-odin.tar)を選択して開く。
  7. StartをクリックするとCWMの導入が始まるので「Message」に「 All threads completed. (succeed 1 / failed 0)」が表示されるまで待つ。
  8. ExitをクリックしてOdinを終了させる。
  9. microUSBケーブルを抜く。

CWMの起動

  1. SC-03Dの電源を切る(シャットダウンする)。
  2. 音量(上)と音量(下)を押しながら電源を押し続けてバイブが動作するかdocomoロゴが表示されたら電源から手を離して、CWM-based Recoveryのメニューが表示されるまで音量(上)と音量(下)を押し続ける。以後、音量(上)と音量(下)でメニューを選択して電源ボタンで決定する。
  3. 終了はreboot system nowを選択して再起動する。

CyanogenModのダウンロード

CyanogenMod公式にはSC-03D用のものが無いので、kernel & Custom ROM フォーラムでHomuHomu氏がSC-03D用にビルドして配布してくれている。現時点の最新版は2ちゃんねるのSC-03DのROM焼きスレでINLEAF氏がリンクを貼られているCM11の2014/08/30版をダウンロードする。

CyanogenModの導入

  1. microSDカードにCyanogenModのファイル(例:cm-11-20140830-UNOFFICIAL-celoxdcm.zip)をコピーする。
  2. SC-03Dの電源を切る(シャットダウンする)。
  3. 音量(上)と音量(下)を押しながら電源を押し続けてバイブが動作するかdocomoロゴが表示されたら電源から手を離して、CWM-based Recoveryのメニューが表示されるまで音量(上)と音量(下)を押し続ける。以後、音量(上)と音量(下)でメニューを選択して電源ボタンで決定する。
  4. wipe data/factory reset→Yes
  5. wipe cache partition→Yes
  6. advanced→wipe dalvik cache→Yes→+++++Go Back+++++
  7. install zip→choose zip from /storage/sdcard1→cm-11-20140830-UNOFFICIAL-celoxdcm.zip→Yes
  8. CyanogenModの導入が始まるの「Install from sdcard complete.」と表示されるまで待つ。
  9. 「++++++Go Back+++++」→reboot system nowで終了して再起動させる。

途中、「ERROR: Could not determine that radio version.」と表示されても問題は無いが、「Can't install this package on top of incompatible data. Please try another package or run a factory reset」と表示されて「Installation aborted.」と出てしまった場合は導入に失敗しているので再度wipeからやり直すか、初期ROMの導入からやり直す。可能ならば違うバージョンの初期ROMを試してみるのが良いかと思う。

GAppsのダウンロード

CyanogenModにはPlayストアやGmail等のGoogleアプリ群(GApps)が含まれていないので別途CWMで導入する必要がある。GAppsはCyanogenModのWikiにあるGoogle AppsからCM 11用(CyanogenModのバージョンによって異なる)のものを「It Vends」や「Torrent」のリンクからダウンロードする。
最低限のアプリのみに絞ったCM 11 "small"は、ニュースと天気、ハングアウト、音声検索、GmailGoogleGoogle設定、Playストアのみで、マップ、写真(フォト)、Google+、Playゲーム、Playニュース、Playブックス、Playミュージック、Playムービー、YouTubeは必要に応じてPlayストアから導入することになる。

GAppsの導入

CyanogenModの導入後にreboot system nowを行わず、続けてGAppsを導入しても良い。

  1. microSDカードにGAppsのファイル(例:gapps-kk-20140606-signed.zip)をコピーする。
  2. SC-03Dの電源を切る(シャットダウンする)。
  3. 音量(上)と音量(下)を押しながら電源を押し続けてバイブが動作するかdocomoロゴが表示されたら電源から手を離して、CWM-based Recoveryのメニューが表示されるまで音量(上)と音量(下)を押し続ける。以後、音量(上)と音量(下)でメニューを選択して電源ボタンで決定する。
  4. install zip→choose zip from /storage/sdcard1→gapps-kk-20140606-signed.zip→Yes
  5. GAppsの導入が終わったら、++++++Go Back+++++→reboot system nowで終了して再起動させる。

CyanogenModの仕様

CM 11 for SC-03D 2014/08/30版

  1. SMS機能の無いMVNOのデータ専用SIMを使用してもアンテナピクトやキャリア名が正しく表示され、緊急通報のみは表示されない(ただし、セルスタンバイ問題によるバッテリードレインについては未確認)。
  2. mopera UIIJmio等のAPN設定は入っていないので手動で追加する必要がある。
  3. デフォルトは3G優先だが、設定→モバイルネットワーク設定→優先ネットワークタイプ→LTEにするとLTE優先となる。
  4. Wi-Fiテザリングはspモード専用では無いので、mopera UIIJmio等でもテザリングが使える。
  5. 標準でUSBデバッグが有効、MTPモード及びPTPモードが無効となっている。
  6. 標準でroot化されており、設定→スーパーユーザーでアプリを管理できる(SuperuserやSuperSUに相当)。
  7. その他、Wi-FiBluetooth、3G、LTENFC、カメラ、フラッシュ等、基本的に全ての機能が問題なく使用できる模様。

CyanogenModの設定

CyanogenMod独自部分をAndroid標準に近くなるように設定を変更してみた。

  • USBデバッグを無効にする
    1. 設定→端末情報→ビルド番号をタップし続けて開発者向けオプションを有効にする
    2. 設定→開発者向けオプション→Androidデバッグのチェックをはずす
  • PCとUSB接続した際に内蔵メモリやmicroSDを認識させる
    1. 設定→ストレージ→MENU→USBでパソコンに接続→メディアデバイス (MTP)もしくはカメラ (PTP)にチェックを入れる
  • スクリーンセーバーを無効にする
    1. 設定→ディスプレイ→スクリーンセーバー→OFFにする
  • ロック画面は解除のみ
    1. 設定→ロック画面→スライダーショートカット
    2. スライダーをブラウザ、電話、音楽、メッセージにドラッグしてアプリの変更で「なし」に設定する
  • ロック画面やホーム画面の天気表示をなくす
    1. 設定→ロック画面→スライダーショートカット→天気パネル→天気を表示のチェックをはずす(途中、場所を取得できませんと出たらキャンセル)
  • 電池残量を縦の電池マークにする
    1. 設定→ステータスバー→電池の状態のスタイル→サークルから縦向きのアイコンに変更
  • 通知が複数ある場合に件数を表示させない
    1. 設定→ステータスバー→通知の数を表示のチェックをはずす
  • ダブルタップでのスリープをやめる
    1. 設定→ステータスバー→ダブルタップでスリープのチェックをはずす
  • 電源を切るメニューに出るプロファイルを消す
    1. 設定→プロファイルをOFFにする
  • 電源を切るメニューに出る再起動を表示しない
    1. 設定→ボタン→電源メニュー→再起動メニューのチェックをはずす
  • 音量調整時の設定アイコンを消す
    1. 設定→音→音量パネルのスタイル→シングル
  • 通知を右端から開くとクイック設定パネルになるのをやめる
    1. 設定→通知ドロワー→クイック設定パネル→クイックプルダウン→OFF
  • クイック設定パネルの順番や内容が違う
    1. 設定→通知ドロワー→クイック設定パネル→タイルとレイアウト
    2. 電池の状態をGPSの場所に移動(上から2段目、左から3列目)
    3. 機内モードGPSの場所に移動(上から3段目、左から1列目)
    4. BLUETOOTHGPSの場所に移動(上から3段目、左から2列目)
    5. トーチを削除
    6. 回転を削除
  • 画面OFF時に音量長押しで曲送り操作をやめる
    1. 設定→ボタン→再生コントロールのチェックをはずす

CyanogenModをNexus 5っぽく設定

ここまでAndroid 4.4標準っぽくなったので、せっかくだからGoogle NowランチャーやGoogleカメラ等をインストールしてNexus 5っぽくなるように設定してみる。

  1. Playストアから以下のアプリを追加する
  2. ホームボタンを押して「ホームアプリを選択」で「Trebuchet」から「Google Nowランチャー」を「常時」にする(元に戻すにはGoogle Nowランチャーではなく、Google検索のデフォルトでの起動の設定を消去する)
  3. Googleのグループアイコン内のマップとカレンダーの間に連絡帳を配置する
  4. 最下段はメッセージの代わりにハングアウト、ブラウザの代わりにChrome、カメラの代わりにGoogleカメラを配置する
  5. ホーム画面の2ページ目のPlayミュージック、Playムービー、Playブックス、Playゲームの下部にあるアイコンを全て削除する
  6. 設定→アプリ→すべて→以下を無効にする(※トーチ、ファイルマネージャは無効に出来ない)
    • カメラ(796KB、レンズ部分が青いアイコン)
    • カレンダー(0.89MB、緑色で数字の無いアイコン)
    • ギャラリー(2.05MB)
    • ブラウザ(1.20MB)
    • ボイスダイヤル(200KB)
    • メッセージ(3.39MB)
    • 端末エミュレータ(336KB)
    • Apollo(584KB)
    • CMホーム(448KB)
    • DSPマネージャ(656KB)
    • Movie Studio(352KB)
  7. PlayストアからinvisiblekのAOSP Kitkat Boot Animationを追加して、設定→テーマ→ブートアニメーション→AOSP Kitkat Bootanimation→ブートアニメーションにチェックを入れる
  8. Download: 9 Wallpapers From Android 4.4 KitKat[Update: Default '5' Wallpaper Found]からAndroid 4.4 Wallpapers (9 images, 1 ZIP file)のMirror 2でkitkat_wallpapers.zipをダウンロード&解凍し、default_wallpaper.jpgをSC-03Dにコピーする
  9. 設定→テーマ→壁紙→画像を選択→default_wallpaper.jpg→右にスワイプして壁紙の左端を表示→壁紙を設定
  10. 設定→テーマ→ロック画面の壁紙→画像を選択→default_wallpaper.jpg→壁紙を設定(※ロック画面は右にスワイプして壁紙の左端を表示しても表示開始位置を指定出来ない)

default_wallpaper.jpgは2160×1920のJPEGファイルなので、ロック画面に使いたい左側のみをSC-03Dのアスペクト比に合わせて1152×1920にカットしたファイルを用意すれば、ロック画面でも壁紙の左端を表示することが出来る(さらにSC-03Dに合わせて2160×1920を900×800、1152×1920を480×800にリサイズすると効果的かも)。
ナビゲーションバー(ソフトキー)は、/system/build.propにqemu.hw.mainkeys=0を追記して再起動するか、PlayストアからmalviのSoft Buttonsをインストール、Soft Buttons→Activate→許可(要root権限)、Soft buttons activated. Reboot your phone!が出たら再起動することで表示できるが、何故かロック画面の時計ウィジェットで日付と曜日が表示されなくなる。逆にナビゲーションバーの部分は中央にGoogle Nowの起動アイコン(「^」マーク)、右にカメラの起動アイコンが出てくる。
元に戻すには/system/build.propからqemu.hw.mainkeys=0の記述を消して再起動するか、Soft Buttons→Deactivate (CM11)→許可(要root権限)、Soft buttons deactivated. Reboot your phone!が出たら再起動する。
ここまで出来たものの、クイック設定パネルのWi-FiBluetooth等は長押しが設定画面、短押しが機能のON/OFFと、Nexus 5等と違って逆の動作になっているのが気になる。