先日、楽天市場のタンタンショップで購入したAKARTのCH-AD77DRが届いた。
名前
パッケージやマニュアルにあるロゴからは「ChoiDROID」と書かれているかと思うが、マニュアル表紙には「CYOIDROID」と書かれている。
また、パッケージ裏面やマニュアル末尾ページの製品仕様にはカタカナ表記で「チョイドロイド」と書かれている。さらに本体底面には「ANDROID PC」とも書かれている。
型番
パッケージ底面やマニュアル末尾ページの製品仕様には商品型番として「CH-AD77DR」と書かれているが、マニュアル表紙のMODELや保証書の機種名には「CH-AND77PC」と書かれている。また、設定→端末情報→モデル番号には「WM8850-mid」と書かれている。
仕様
マニュアル末尾ページの製品仕様および設定や実測から確認出来るスペックは、OSがAndroid 4.0.3、CPUがVIA8850 CORTEX A9 1.2GHz、RAMが512MB DDR3、ROMが4GB(システムが2GB、ユーザーエリアが1.94GB)、ディスプレイが7インチ液晶800×480感圧式タッチパネル、無線LANがIEEE802.11b/g/n、スピーカーは1W×2ch、カメラは30万画素、バッテリー容量が3000mAh、充電時間が約4〜5時間、連続動作時間が約3時間、サイズが幅214mm×奥行き145mm×厚み27mm〜31mm、重さが約620gとなっている。
マイクは搭載されているが、どこに配置されているかは判らない。Bluetooth、GPS、電子コンパス、加速度センサー、照度センサーは無い。
ACアダプタ
ACアダプタにはDC12V 1.25Aとあるが、本体のACアダプタ接続端子部にはセンタープラスの5Vとあり、さらに本体底面には定格電圧5V、定格電流2Aと書いてある。また、プラグは明らかにEIAJ#2(EIAJ極性統一規格 電圧区分2)なのでDC3.15V〜6.3Vの範囲内に収まる5Vが正しいと思う。実際、TAKEがテスターで測ってみたところ、5Vだったとのこと。ただし、一般的なEIAJ#2プラグよりも1mmほど微妙に長いので奥まで差し込めず給電できない場合がある点に注意。
ちなみにACアダプタにあるMODELの「J60950(H19) J55022(14)H(恐らくJ55022(H14)のことだと思われる)」は、どちらも経済産業省の情報技術装置に関する文書を示すものなので、ACアダプタの型番に相当するものではないと思われる。
本体
背面にはminiHDMI(720p/1080p)、LAN(10/100Mbps)、ACアダプタ接続部がある。
右側面にはUSB(USB2.0 Aメス)が横並びで2ポートがある。
左側面にはSDカードスロット(SD/SDHC/SDXC対応)、ヘッドホン端子(3.5mmステレオ)、マイク端子がある。
前面は左側にランプが3つ、右側にランプが3つある。
左側のランプは充電(橙色に点灯)、未使用、電源(緑色に点灯)を示す。
右側のランプはNum Lock、Caps Lock、Scroll Lockの際に緑色に点灯する。
充電ランプは充電中に橙色に点灯、充電が完了すると消灯する。電源ランプは電源が切れた(シャットダウンされている)状態のACアダプタ接続時に緑色に点灯、電源が入った(ACアダプタ接続の有無にかかわらず)状態に緑色に点灯、スリープ状態に消灯する。
底面にはRESETスイッチがある。
液晶パネル部
上部中央にカメラ、左右下部にステレオスピーカー(左右正しく配置されている)、下部右側に電源ボタンがある。
画面の明るさは最大にしてやっと普通といった程度、音量も最大にして大きめになるくらい。ヘッドホン接続時はスピーカーから音は出なくなる。
ロック等は無く、普通に手で押し上げて開いて使う。180度ちょいまで開くことが出来る。
タッチパネルは感圧式でマルチタッチには対応していない。タッチペンは一般的なスマートフォンやタブレッドに良く使われている静電容量式に対応したものは使えないが、ニンテンドーDSなどに対応しているものが使用できる。
キーボード
いわゆる英語キーボードで、F1〜F6とF9〜F12は指定したアプリを起動するQuick launch(クイック起動、検索キーが無いので検索+A〜Zは使えない)、F7は明るさUp、F8は明るさDown、メニューはMENUキー、Fn+←(Home)はHOMEキー、ZzzとFn+→(End)は電源ボタン(ただし電源ONはスリープ後5秒間の間しか行えない)、Alt+Tabは新着(最近使ったアプリケーション)として動作する。また、何故かバックスラッシュキーが2つある。
尚、Page Up、Page Downはブラウザなどの上下スクロール、Deleteはカーソル位置の文字削除で使用出来る。
タッチパッド
タッチパッドの左右にクリックボタンが配置されているタイプで、操作すると画面上のマウスカーソルが現れる。右クリックはMENUキーとして動作する。マウスカーソルの移動速度は、設定→ユーザー設定→言語と入力→マウス/トラックパッド→ポインタの速度で調整出来る。尚、画面回転させた際にもタッチパッドの上下左右は90度回転しないので注意が必要。
電源ボタン
電源が切れた(シャットダウンされている)状態でACアダプタ接続時に電源ボタンを押すと電池状態を示す絵が表示される。
電源を入れる
電源ボタンを長押しすると電源が入り(電源ランプが点灯)、画面中央に青白い枠線で描かれたドロイド君と、画面右下にAndroid TM OS 4.0、Kernel 3.0.8、Build Number V1.3.0の3行が表示される。
その後、右下の3行が消えて、ドロイド君が光ってからアイスクリームサンドイッチのドロイド君に変わって波打つアニメーションがしばらく表示された後、ロック画面ではなく、いきなりホーム画面が表示される。
スリープ
電源ボタンかZzzかFn+→(End)を押すと画面が消えて、約5秒後にスリープ状態(電源ランプが消灯)になる。尚、液晶パネル部をたたんでも画面は消えない(バックライトも点灯したまま)し、スリープ状態にも入らない。
画面が消えてからスリープ状態になるまでの間は、電源ボタンかZzzかFn+→(End)を押すとロック画面が表示される。スリープ状態からは電源ボタンを押すことでロック画面が表示される。ロック画面はMENUキーを押すことでもロック解除が出来る。
スクリーンショット
PrtScキーを押すか、ホーム画面最下段の時計の右側にある四隅をL字で囲んだ■アイコンをタッチすることで撮影出来る。保存先はROM DISK(いわゆる内部ストレージ)のPictures→ScreenshotsフォルダにScreenshot_2000-01-01-12-31-09.pngといった日時を付加したファイル名となる。保存先やホーム画面上のアイコンの表示/非表示は、アプリ一覧からScreen Captureを開くことで変更出来る。
画面回転
加速度センサーが無いので自動回転は出来ないが、ホーム画面最下段の時計の右側3番目あたりにある□をL字に組み合わせて回転を示す矢印が表示されたアイコンをタッチすることで、逆時計回りに90度画面表示が回転する。再度押すと元に戻る。
アプリ
Android標準と思われるカメラ、ダウンロード、ブラウザ、メール、時計、設定、電卓に加えて、OEM元と思われるWonderMediaのFile Browser、MyMusic、MyPhoto、MyRecorder、MyVideo、Screen Capture、Task Manager、Weather、さらにAKARTが加えたと思われるFlash Player Settings、Simeji、そしてGoogle関連のカレンダー、検索が入っている。
Gmail、Playストア、ギャラリー、トークは何故か標準のホーム画面(ランチャー)のアプリ一覧に出て来ないが、設定→Quick launchや検索で呼び出すことが出来る。他のホームアプリ(LauncherPro等)ではアプリ一覧に普通に表示される。
設定→アプリ→すべてを見ると、音声レコーダーや音声検索もあるが、前者はMyRecoderから後者は検索から呼び出されて使われる模様。
ブラウザ
ブラウザは、デフォルトのホームページが file:///mnt/local/WM8850%20User%20Guide%20V1.1-1/WM8850%20User%20Guide%20V1.1.htm になっているが、ROM DISKにはWM8850 User Guide V1.1-1フォルダも、その中のWM8850 User Guide V1.1.htmも存在しないので起動時に開けずエラーとなる。
また、MENU→設定→全般→UAStringは何故かAndroidではなくHTML5になっている。
文字入力
デフォルトのIMEはSimeji、Shift+スペースで日本語入力モードと英数入力モードを切り替えられる。変換範囲は←、→で、変換はスペースで、変換決定はEnterやAlt+スペースで行えるが、候補の選択は画面をタッチする方法以外で見つけられなかった。Google日本語入力では↑、↓で候補の選択が行えるが、英数入力モードへの変更はキーボードから行えない模様。
設定/ホーム画面
いわゆるタブレットUIなので、ホーム画面は最上段の通知バーや時計などの表示も含めてソフトキーと共に最下段にまとめられている。設定も左ペインに大項目、右ペインに小項目もしくは内容が表示される。
設定は、無線とネットワークのWi-Fiにスリープ時の設定が無いことや、Ethernet、PPPoE settings、3G network(要USB接続データ端末)の設定があること、ディスプレイにHDMI接続時に有効となるTV screenの設定があること、ストレージにデフォルトで内蔵フラッシュメモリとSDカードのどちらを使うかの設定や、USBストレージの設定があること、Touchpanel calibrationでタッチパネルの調整が出来ること等がよくある端末と異なる。
ちなみに端末情報から確認できるモデル番号はWM8850-mid、Androidバージョンは4.0.3、カーネルバージョンは3.0.8、ビルド番号は4.0.3 ICS Ver1.3.0-20120911.065941だった。
SDカード
SDカードスロットにカバーは無く、スロットはプッシュポップ式。ダミーカードを入れても反応しないので、カバーとして入れておくのが良いかも知れない。スロットは通常と上下が逆なので、裏向き(金属端子面を上)で挿入する。SDカードを差し込んだ際は、はみ出ない。SDカード(FAT16)やSDHCカード(FAT32)だけでなく、SDXCカード(exFAT)にも対応している。
ただし、SDカードのLOCKスイッチを入れても書き込み禁止に出来ないことと、exFATのSDカードを使った後はWindows等で読み込みしか出来ないSDカードになってしまう(CHKDSK等でディスクのチェックを行うことで書き込み可能な状態に修復出来る)点に注意が必要(TAKETYONからの情報)。
差し込むとSDカードをデフォルトのストレージにするか確認される。チェックを入れることで次回から確認されない。戻るキーで無視出来る。
取り外す前には、設定→ストレージ→SD CARD→SDカードのマウント解除→OKを行う。
SDカードのフォーマットは、設定→ストレージ→SD CARD→SDカード内データを消去で行えるが、SDXCカードはFAT32でフォーマットされてしまうので注意が必要。
USB
あくまでUSBホスト機能しか無いので、一般的なAndroid端末のようにUSBクライアントとしてWindows PCなどと接続することは出来ない。つまり、adb接続なども出来ない。
USBキーボード、USBマウスは接続しても特に何の通知や表示も行われないが、そのまま使用出来る。同時使用も問題ない。
マウス
マウスのホイールは設定やブラウザなどで上下スクロール動作に使用出来る。また、マウスカーソルの移動速度は若干速めなので、設定→ユーザー設定→言語と入力→マウス/トラックパッド→ポインタの速度で調整すると良いかも知れない。
キーボード
キーボードは日本語キーボードであっても英語キーボードとして動作する。音量Up、音量Down、メールキーは本体側には無いが普通に動作し、ブラウザキーやWindowsはHOMEキー、スリープキーはスリープボタン(Zzz)として動作する。また、テンキー側のHome、End、Page Up、Page Down、Enter、カーソルキーなどは動作しない。キーボードによってはEndがスリープボタンとして動作しないことがある模様。
ストレージ
USBハードディスクはバスパワーが足りないので別途電源を用意しないと認識せず、タッチパッドが勝手に動いて誤動作する現象などが発生する。USBメモリ、USBカードリーダ等は問題ない。
MBRディスクだけでなく、GPTディスクも認識する。フォーマットはFAT16、FAT32、exFATに加えてNTFSにも対応している。
取り外す前には、設定→ストレージ→USB STORAGE→SDカードのマウント解除→OKを行う。
データ通信端末
EMOBILEのデータ通信端末D21HWが使用出来た。バスパワーが不足気味(D21HWの消費電力は通信時最大:約2.5W、通信時一般:約1.5W、待機時:約0.5W)なのかタッチパッドが勝手に動くが一応使えている。とは言え、これで3Gモデム内蔵端末みたいに扱えるのは便利。(docomo L-02Cも試してみたが、こちらは認識後にUSBマスストレージの取り外しをしないとUSBモデムとして使えないといったハナシと関係あるのか動作しなかった)
設定→無線とネットワーク→3G network→Add 3G network→Nameに適当な名前を、Device numberにダイヤルアップ先の電話番号として*99***1#、APNにemb.ne.jp、Userにem、Passwordにemを入力してConnectで接続される。接続されると通知バーに3Gのアイコンが表示される。
以後は3G NETWORKSに先ほど付けた名前があるので、これを選択してDisconnectで切断、Connectで接続、Forgetで設定の削除が行える。尚、設定の修正は行えない模様。
ちょっと不思議なこととして、3G接続時はブラウザのホームページが file:///mnt/local/WM8850%20User%20Guide%20V1.1-1/WM8850%20User%20Guide%20V1.1.htm ではなく、何故かBaidu(バイドゥ)になってた。
HDMI
電源が入った状態で抜き差ししても問題なく動作する。デフォルトは1080pのようで、設定→端末→ディスプレイ→TV screen resolutionから1920×1080(1080p)か1280x720(720p)を選択して切り替えられる。
通常は本体側の液晶パネルと同じものが常に表示されているが、音声はHDMI側からのみ出力されているのでヘッドホン端子は使用出来ない。
動画再生時は本体側の液晶パネルに動画部分のみが表示されず、HDMI側からの出力のみとなる。その際、フルスクリーン再生であっても画面下部にソフトキーを示す「・・・」が表示されていることがあるが、設定→ディスプレイ→Allow hiding the status barにチェック入れて最下段のステータスバーを隠すことで表示されなくなる。ちなみに、ハードウェアデコーダを使わない場合は本体側の液晶パネルにも表示される。
画面回転させるとHDMI側は左右に黒帯の付いた縦画面が表示される。
本体側の液晶パネルが一定時間経過などで画面が消えた場合でも、HDMI側は常に表示されている。この場合、電源ボタンを押すと本体側の液晶パネルも表示される状態に戻る。
バッテリー
バッテリーは底面の膨らんだ箇所を留めている2箇所のネジを外すと左右2箇所とネジと反対側の2箇所のラッチに注意してカバーを取り外すことで確認出来る。
バッテリーパックにはCapacity: SP-IN-3200mAh、rated voltage: 3.7V、carries out standard: GB/T 18287-2000と書かれており、2本のコードで本体とコネクタで接続されている。
動画再生
MyVideoの左上からSD、ROM、USBを選択して表示されるサムネイルを選択するか、File Browserから動画ファイルを選択することで再生される。
マニュアルの製品仕様によると、AVI、MKV、MOV、TS、RM/RMVB、3GP、MPEG、DAT、MP4に対応していることになっている。
動画プレーヤーはレジュームにも対応、再生中に画面をタップすると右上に表示される画面のアイコンでBest Fit、Full Screen、Actual Sizeと表示モードを選択出来る。
Full ScreenはTOKYO MXなど誤って4:3で再生されるものを16:9にするのに使えた。また、Actual Sizeは本来の画面サイズで再生となり、1920×1080なら中央の800×480を切り取った表示となり、画面をドラッグすることで上下左右に表示位置を変更出来る。
再生中はPauseキーで一時停止/再生が行える。
試しに有線LAN接続の状態から、ESファイルエクスプローラーでWindows共有フォルダにある24Mbps近い高レートなMPEG-2 TSファイルをMX動画プレーヤーで再生してみたが、コマ落ちなく再生された。MX動画プレーヤーの場合はカーソルキーの左右で前後に一定秒数のスキップも行える。