EMONSTER(S11HT)対応のAndroidをmicroSDカードにインストールする

AndroidSourceForge.netのAndroid HTCプロジェクトで配布されているVaniljEclair_RLS11.zip(Android 2.1)を使用したけど、同プロジェクトで配布されているsystem-froyo-02-09-10_17.tgz(Android 2.2)を使用する場合の手順も付記してみた。

準備

SourceForge.netのAndroid HTCプロジェクトから、「Files」→「2010-08-19」とたどってVaniljEclair_RLS11.zipをダウンロードする。
VaniljEclair_RLS11.zipを解凍して出てきたandbootフォルダをmicroSDカードにコピーする。
microSDカードのandbootフォルダにあるdefalt-kaiser.txtを開いて、「set cmdline」で始まる行の「board-htckaiser.panel_type=1」とある箇所を「board-htckaiser.panel_type=2」に書き換えて保存する。これを行わないとS11HTではAndroidの画面に緑色の点描のようなノイズが発生する。ちなみにKaiserはEMONSTERの海外名を指している。
microSDカードのandbootフォルダにあるdefault-kaiser.txtをdefault.txtにリネームする。これを行わないとHARETを起動した際に表示されているdefault.txtをdefault-kaiser.txtに直さないとAndroidが起動できないので面倒になる。
Android 2.2を使いたい場合は、SourceForge.netのAndroid HTCプロジェクトの「Files」にある「system-froyo-02-09-10_17.tgz」をダウンロードして、microSDカードのandbootフォルダにあるandroidinstall.tarを削除して、代わりにsystem-froyo-02-09-10_17.tgzをandroidinstall.tgzの名前でコピーする。以後の操作は基本的に変わらない。
※ただ、この手順だと無線LANが有効に出来なかったが、別のカーネルイメージ(zImage)等を使うことで、後日無線LANも使えた。>EMONSTER(S11HT)のAndroid 2.2で無線LANが使えた

Android 2.2を使いたい場合は、2010-07-02にあるVaniljFroyo_RLS2.zipをVaniljEclair_RLS11.zipの代わりに使うか、system-froyoで始まるパッケージとAtoolsを使う。もちろん無線LANも使える。後者の手順は後日詳しくまとめたのでEMONSTER(S11HT)対応のAndroid 2.2をmicroSDカードにインストールするを参照。

起動

microSDカードをS11HTに取り付ける。
Windows MobileのToday画面左上にある[スタート]をタップ(スタイラスペンで画面にタッチ)する。

「プログラム」をタップする。

プログラムの一覧が表示されるので、下にスクロールさせる。

「ファイル エクスプローラ」をタップする。

ファイル エクスプローラの画面左上にある下矢印(▼)をタップする。

「メモリ カード」をタップする。

「ANDBOOT」フォルダをタップする。

「HARET」をタップして実行する。

「このプログラムの発行者は不明です…」と表示されるが、無視して「はい」をタップする。

「Run」をタップする。

「HaRET:Booting Linux ...」と表示されるので、しばらく待つ。

インストール

画面上部にペンギンが表示されてメッセージが流れ始めたら、すかさずナビゲーション中央ボタン(Enterボタン)を押し続ける。

失敗すると「Failed to reach system.img on SD Card」と表示されて止まってしまうので、スタイラスペンで本体底面のリセットボタンを押して再起動させ、「起動」の項目からやり直す。

成功したら「Welcome to the Android Installer.」のメッセージが表示されるので、ナビゲーション中央ボタンで「OK」を選択する。

「1. Install System」が選択されているので、ナビゲーション中央ボタンを押して開始する。

システムを削除しても良いか聞かれるので、ナビゲーションキーで「Yes」を選択して、ナビゲーション中央ボタンを押して次へ進める。ここで言うシステムはmicroSDカード上に作成するAndroidのシステム(正確にはsystem.imgファイル)を指している。

データも削除して良いか聞かれるので、「Yes」が選択されていることを確認して、ナビゲーション中央ボタンを押して次へ進める。ここで言うデータはmicroSDカード上に作成するAndroidのデータ(正確にはdata.imgファイル)を指している。

システムとデータの初期化が始まり、Androidシステムのインストールが行われるので、しばらく待つ。

最初のメニューに戻ってくるので、ナビゲーションキーで「10. Quit」を選択して、ナビゲーション中央ボタンを押してAndroidシステムの起動を開始する。

Android起動時のアニメーション

左右から光が集まって中央にXの文字を作って消えるアニメーションが始まる。

最初は青赤黄緑の4色だが、すぐに青のみの単色になる。この状態でしばらく待つ。(system-froyo-02-09-10_17.tgz(Android 2.2)を使った場合は、青のみの単色のアニメーションには切り替わらない)

初期設定

HTC Kaiserへようこそが表示されるので、Androidのマスコットをタップする。最初、英語で表示されても、しばらく待つと自動的に日本語に切り替わる。USIMカードを入れてない等で切り替わらない場合は、右下のChange languageで日本語を選択する。(system-froyo-02-09-10_17.tgz(Android 2.2)を使った場合は、この画面は表示されず、いきなりAndroidのホーム画面になる)

HTC Kaiserの使用方法が表示されるので「スキップ」をタップする。

HTC Kaiserのセットアップが表示されるので「次へ」をタップする。

Googleアカウントの設定が表示されるので「スキップ」をタップする。

Google位置情報の利用が表示されるので「次へ」をタップする。

Androidのホーム画面が表示される。

system-froyo-02-09-10_17.tgz(Android 2.2)を使った場合のホーム画面は若干異なる。

APNの設定

これを行うことで、3Gデータ通信を使ってWebブラウザやメール等が使えるようになる。
Androidホーム画面の下部中央にある縦横4マスの■で作られたアイコンをタップする。

アプリケーション一覧が表示されるので、画面を上方向にフリック(ペンで画面をタッチしたまま上へ滑らす)して、下の方に並んでいるアプリケーションを表示させる。

「設定」のアイコンをタップする。

「無線とネットワーク」をタップする。

画面を上方向にフリックする。

「モバイルネットワーク」をタップする。

「アクセスポイント名」をタップする。

スタートボタン(Windowsキー)を押す。

メニューが表示されるので「新しいAPN」をタップする。

「名前」をタップする。

「emb」と入力して「OK」をタップする。

ちなみにオレンジの枠で囲まれた文字入力欄をタップすると、ソフトキーボードが表示されるので、こちらを使用して文字を入力することも出来る。

「名前」と同じようにして「APN」に「emb.ne.jp」、「ユーザー名」に「em」、「パスワード」に「em」を入力する。

「MCC」には「440」、「MNC」には「00」を入力する必要があるが、最初から入っているので今回は意図的に指定していない。

スタートボタン(Windowsキー)を押してメニューを表示し、保存をタップする。

APNとしてembが登録され、しばらく待つと左側の◎の中が緑になって利用できる状態になる。

okボタンを押して1つ前の画面に戻るを繰り返してホーム画面に戻る。

アカウントの設定

これを行うことで、メールのプッシュ配信や連絡先の同期がGoogleアカウントを使って自動的に行われるようになる。
APNの設定と同様に設定メニューを開いても良いが、今度はホーム画面でスタートボタン(Windowsキー)を押してメニューを表示させて行ってみる。

「設定」をタップする。

画面を上方向にフリックする。

「アカウントと同期」をタップする。

「アカウントを追加」をタップする。

Google」をタップする。

「次へ」をタップする。

「ログイン」をタップする。

Googleの「ユーザー名」と「パスワード」を入力する。

ユーザー名を入力した後、パスワード欄に移ると自動的にユーザー名の末尾に「@gmail.com」が追加される。
ソフトキーボードを使って数字を入力する場合は、右下の「12#」をタップすると数字と記号のソフトキーボードに切り替わる。元に戻すには右下の「ABC」をタップする。

「ログイン」をタップする。

ログインしています...と表示されるので、しばらく待つ。

元の画面に戻り、アカウントを管理の下にログインしたアカウント名が表示され、右側の回転矢印が入った○が緑になり、下部に同期ONと表示される。

しばらくすると画面最上部の時計、アンテナ感度、3G通信のアイコンの隣に同期中であることを示す回転矢印の入った丸印が表示される。
okボタンを押して1つ前の画面に戻るを繰り返し、ホーム画面に戻る。

スリープモード

何も操作しないで放置すると自動的に画面が消えてスリープモードになる。
電源ボタンを押すと画面が表示されるが、操作はロックされている。

カギのアイコンを右にフリックするとロック解除される。

電源ボタンや終了ボタンを押してもスリープモードに入る。自動的にスリープモードに入るまでの時間は、設定→音と表示の設定→バックライト消灯から変更できる。

電源を切る

電源ボタンもしくは終了ボタンを長押しするとマナーモード等のメニューが表示されるので、電源を切るをタップする。

OKをタップする。

しばらく待つと電源が切れる。

電源を入れる

電源ボタンを長押しするとWindows Mobileが起動するので[スタート]メニューから「プログラム」→「ファイル エクスプローラ」とたどって実行する。
メモリ カードのANDBOOTフォルダにあるHARETをタップして実行する。このプログラムの発行者は不明…と表示されるが無視してはいをタップする。
Runをタップすると、しばらくして画面上部にペンギンが表示され、画面下部にメッセージが流れ始めるので、そのまま待つと左右から光が集まって中央にXの文字を作るアニメーションが始まるので、さらに待つ。
Androidのホーム画面が表示される。

AndroidでのS11HTのキー割り当て

  • 右側面の電源ボタン…スリープモードに入る。長押しでマナーモード等のメニューを表示する。
  • 右側面のカメラボタン…未割り当て
  • 左側面のボイスボタン…検索ボタン
  • 左側面のジョグホイール…上下ボタン。押し込みは未割り当て。
  • 左側面のokボタン…1つ前に戻る
  • 通話ボタン…通話履歴などのメニュー表示
  • 終了ボタン…スリープモードに入る。長押しでマナーm0オード等のメニューを表示する。
  • 左ソフトキー…音量を下げる
  • 右ソフトキー…音量を上げる
  • Webブラウザボタン(Internet Explorerボタン)…ホーム画面を表示する。長押しで最近使ったアプリケーションの表示。
  • メールボタン…画面の向きを切り替える
  • スタートボタン(Windowsボタン)…メニューを表示する
  • okボタン…1つ前に戻る
  • ナビゲーションキー…上下左右ボタン
  • ナビゲーション中央ボタン…決定ボタン

Androidの端末内部メモリ

実体はmicroSDカードのandbootフォルダにあるdata.imgファイルで、S11HT本体の内部メモリは一切使われていない。なので、S11HTを工場出荷時の状態に戻してもAndroid側には何の影響もない。