サーバ構築をしばらく放置してたので、新しくリリースされてたNetBSD 3.0を試しに入れてみる。適当なPC持ってくるのも面倒だったので、Windows上にIBM PC/AT互換機エミュレータのQEMUを使ってやってみる。
「qemu-0.8.0-windows-2.zip」をダウンロードして解凍したら「qemu-win.bat」を動かして動作を確認。Linuxが起動したら、Ctrl+Alt+2を押して「quit」と入力して終了させる。
http://www.h7.dion.ne.jp/~qemu-win/index-ja.html
FDイメージのダウンロード
NetBSDのインストールはFDイメージをダウンロードして、ここから起動し、必要なものをインターネット経由でNetBSDのFTPサイトからダウンロードしてインストールする定番の方法を使ってやってみる。
まずはNetBSDの国内FTPサイトを片っ端からpingとtracertコマンドで調べてみる。ウチの会社の場合は「ftp.dti.ad.jp」が一番近いみたいなので、ここに接続して「NetBSD-3.0」→「i386」→「installation」→「floppy」からFDイメージの1枚目「boot1.fs」と、2枚目の「boot2.fs」をダウンロードした。
http://www.jp.netbsd.org/mirrors/#ftp
QEMUでFDイメージを起動
QEMUの「qemu-win.bat」をコピーして、名前を「qemu-bsd.bat」にしておき、これをメモ帳で開く。末尾の1行を次のように書き換えて、1GB(1024MB)のHDDイメージを netbsd.img の名前で作成した後、このイメージとFDイメージを使ってAドライブから起動するように指定する。別に1GBもいらないけど一応。
qemu-img create -f qcow netbsd.img 1024M qemu.exe -L . -m 128 -boot a -fda boot1.fs -hda netbsd.img -soundhw sb16,es1370 -localtime
「qemu-bsd.bat」を動かすとNetBSDが起動するので「Please remove disk 1, insert disk 2, and press return...」と表示されたら、Ctrl+Alt+2を押して「change fda boot2.fs」と入力して2枚目のFDイメージに交換し、Ctrl+Alt+1を押して元の画面に戻り、Enterを押すとNetBSDの起動が続行される。
インストールの設定とパーティション構成
基本的にカーソルキーで選択して、Enterで決定する。
- メニューが出たらインストールで使う言語を聞かれるので「a: Installation messages in English」を選択して英語を指定する。日本語は残念ながら無い。
- キーボードの種類を聞かれるので「k: Japanese」を選択して日本語キーボードのキー配列を使うように指定する。
- やっと懐かしのインストールメニューが現れるので「a: Install NetBSD to hard disk」を選択してインストールを開始する。
- 本当にインストール開始するけど良いか?と聞かれるので「b: Yes」を選択して次へ進む。
- インストール先として wd0(1台目のIDEハードディスク)が見つかったと言われるので「Hit enter to continue」に対してEnterを押し、次へ進む。
- フルインストールするか、インストールするものを選択するか聞かれるので「b: Custom installation」を選択してインストールする内容を選択する。
- インストール内容の選択画面になるので「o: X11 sets」を選択した後、「g: Deselect all the above sets」を選択して X Window System 関係を全て未選択にし、「x: Install selected sets」を選択してインストール内容の選択を終了する。
- ハードディスクのジオメトリが BIOS から取得したもので良いか聞かれるので「a: This is the correct geometry」を選択して表示されたジオメトリを使うことにする。
- ハードディスクをどう使うのか聞いてくるので「b: Use the entire disk」を選択してディスク全体をNetBSDで使うことにする。
- NetBSD のブートコードを書き込んで良いか聞かれるので「a: Yes」を選択して続ける。
- パーティション構成を新規に決めるか聞かれるので「a: Set sizes of NetBSD partitions」を選択して新たに設定する。
- ルートが 895 MB(最低 417 MB)、スワップが 128 MB 確保されるので、「Accept partition sizes. Free space 478 MB, 12 free partitions.」を選択してパーティション構成を終了する。
- パーティション構成が確認のために表示されるので「x: partition sizes ok」を選択して次へ進む。
- ハードディスクの名前の入力を求められるが、ハードディスクの型番などが既に「QEMU HARDDISK」として入っているので Enter を押して次へ進む。
- ハードディスクへの書き込みを本当に開始しても良いか聞かれるので「b: Yes」を選択して次へ進む。
- シリアルコンソールを使うか聞かれるので「a: Use BIOS console」を選択してBIOSコンソールを使うことにし、「x: Exit」を選択して次へ進む。
- インストール状況をどう表示するか聞いてくるので「a: Progress bar (recommended)」を選択してプログレスバーを表示させる。
インストール手段としてFTPを選択
- インストールに必要なファイル群をどうやって持ってくるか聞いてくるので「b: FTP」を選択して、FTPサイトからダウンロードするように指定する。
- 使用するネットワークアダプタを聞いてくる。「Which device shall I use? [ne2]: 」のように最初から使えるものが選択されている(今回は ne2)ので、そのまま Enter を押して次へ進む。
- ネットワークの種類を聞いてくる。「Network media type [autoselect mediaopt full-duplex]: 」のように表示されるので「autoselect」を入力する。
- DHCPを使ってIPアドレスなどを自動設定するか聞かれるので「a: Yes」を選択する。
- 「Your DNS domain: 」と表示され、ドメイン名を聞かれるので自分とこのドメイン名を入力する。判らなければ「bar.com」など適当に入れても良いかと思う。
- 「Your host name: 」と表示され、ホスト名を聞かれるのでNetBSDマシンに付ける名前を入力する。決められなければ「foo」など適当に入れても良いかと思う。
- IPv6を使うか聞かれるので「b: No」を選択して次へ進む。
- これまでに入力したネットワーク設定を確認されるので「a: Yes」を選択して次へ進む。
- 設定したデフォルトゲートウェイもしくはDNSサーバへのpingが失敗すると「Hit enter to continue」と表示されるので、Enterを押して次へ進むと、ネットワーク設定をやり直すか聞かれるので「b: No」を選択して次へ進み、ネットワーク設定が正しいと仮定してインストールを続けるか聞かれるので「a: Yes」を選択する。
- ダウンロードしたファイルの格納先を「What directory shall I use for ftp? [/usr/INSTALL]: 」のように聞かれるので、最初から選択されているものをそのまま使うべく、Enterを押して次へ進む。
- FTPサイトの接続先を設定しろと出るので「a: Host」を選択してウチから近い「ftp.dti.ad.jp」を入力する。他の設定は変わらないので「g: Get Distribution」を選択してダウンロードを開始する。
- ダウンロードしたファイルはインストールが終わっていらなくなったので削除しても良いか聞かれるので「a: Yes」を選択して次へ進む。
インストール後の初期設定
- インストールが終わったので色々な初期設定を始めると出るので「Hit enter to continue」に対して Enter を押して次へ進む。
- タイムゾーンの設定画面が出るので「Japan」を選択した後、「Exit」を選択して次へ進む。
- 暗号化方法を聞かれるので「a: DES」を選択して次へ進む。
- スーパーユーザ(root)のパスワードを設定するか聞かれるので「b: No」を選択して次へ進む。
- root で使うシェルを聞かれるので「a: /bin/sh」を選択して次へ進む。
- 全てのインストール処理が終了したと表示されるので「Hit enter to continue」が出たら Enter を押して次へ進む。
- 最初のインストールメニューに戻ってくるので「d: Reboot the computer」を選択してインストール作業を終了する。
- 2枚目のFDイメージが入ったままなので、BIOS画面で起動できず止まってしまったところで、Ctrl+Alt+2を押してから「quit」と入力してQEMUを終了させる。
QEMUでHDDイメージから起動
「qemu-bsd.bat」をメモ帳で開き、末尾の2行を次のように書き換える。HDDイメージの作成を指示する行を削除して、FDイメージの指定とAドライブからの起動の指定を外す。
qemu.exe -L . -m 128 -hda netbsd.img -soundhw sb16,es1370 -localtime
NetBSDのネットワーク設定
以前のNetBSDのようにインストール時のネットワーク設定を引き継いでくれないみたいなので、とりあえずDHCPで使えるように設定する。
/etc/rc.confに下記の2行を加えて再起動してやれば、とりあえずネットワークが使えるようになる。ne2 はネットワークアダプタの名称。
net_interfaces="ne2" dhclient=YES