ぴろさんがPC-9801エミュレータのねこープロジェクトIIをザウルス用にビルドしてくれたので、早速試してみる。動作環境はいつものようにSL-C760(標準カーネル)。
前提となるライブラリ
SDL、SDL_ttf、FreeTypeの各ライブラリが必要なので、これら一式がまとまったONScripter関連ライブラリを以下からダウンロードし、インストールしておく。
http://ogapee.at.infoseek.co.jp/zaurus/index.html#package-onscripter-lib
libSDL-bvddなどを使う場合は、この後にインストールすればいい。
フォントファイル
TrueTypeフォントが必要なので、さざなみフォントを以下からダウンロードする。Internet Explorerでダウンロードするとファイル名が「sazanami-20040629.tar.tar」になる場合があるので、「sazanami-20040629.tar.bz2」に直しておく。
http://sourceforge.jp/projects/efont/files/#10087
bzip2で圧縮されてるので、ザウルスで解凍する場合は以下からbzip2をダウンロードし、インストールしておく。
http://d.hatena.ne.jp/mm1978/
あとはSDカードにsazanami-20040629.tar.bz2を入れた状態で、ザウルスのターミナルから・・・
bash-2.05$ bzip2 -dc /mnt/card/sazanami-20040629.tar.bz2 | tar xvf - sazanami-20040629/sazanami-gothic.ttf bash-2.05$ mv sazanami-20040629/sazanami-gothic.ttf default.ttf bash-2.05$ rm -r sazanami-20040629
と入力して解凍し、default.ttfの名前で/home/zaurusに置いて、空になったディレクトリsazanami-20040629を削除する。SDカードじゃなく、CFカードに入れてある場合は「/mnt/card」を「/mnt/cf」に、本体メモリーなら「/home/zaurus/Documents」に置き換えて入力する。
ねこープロジェクトII本体
ぴろさんのzaurus用エミュのページから、Neko_Project_IIをダウンロードする。Internet Explorerでダウンロードすると解凍された状態で「np2.gz」がダウンロードされるので、「np2」にファイル名を直しておき、ザウルスでの解凍処理は行わないようにする。
http://www.piro.hopto.org/~piro/pukiwiki/pukiwiki.php?%5B%5Bzaurus%CD%D1%A5%A8%A5%DF%A5%E5%5D%5D
あとはSDカードにnp2.gzを入れた状態で、ザウルスのターミナルから・・・
bash-2.05$ cd /opt/QtPalmtop/bin bash-2.05$ su # cp /mnt/card/np2.gz . # gzip -d np2.gz # chmod +x np2 # exit
と入力して/opt/QtPalmtop/binにコピーした後、解凍し、実行属性をつけてやればいい。SDカードじゃなく、CFカードに入れてある場合は「/mnt/card」を「/mnt/cf」に、本体メモリーなら「/home/zaurus/Documents」に置き換えて入力する。
ねこープロジェクトIIの起動
ホーム画面設定でnp2のアイコンを作って起動しても良いが、その場合はアイコンをペンで長くタッチして、VGAに最適化するのチェックを外しておく。ターミナルからは・・・
bash-2.05$ np2
で起動する。ただし、初回はdefault.ttfからPC-9801用のフォントファイルfont.tmpを作成するので、かなり時間がかかる。あとrootユーザーで起動しない場合は「export LOGNAME=root」としてから起動させる。
起動したらピポッと音が鳴り、メモリーチェックの後に「システムディスクをセットしてください」と表示される。あとはペンで画面の中央とか適当にタッチするか、Menuキーを押せば、ねこープロジェクトIIのメニューが現れる。
不具合
- ターミナルから起動した場合は、他のタスクに切り替えた後、ねこープロジェクトIIの画面に戻ってこれないことがあるので、ホーム画面設定でアイコンを作って起動させる方が便利。
- Endキー(HELPキー)が無いのでシステムセットアップメニューが出せず、一部ゲームなどで必要になるGDCクロックを5MHzから2.5MHzに変更する操作ができないが、/home/zaurusに作成されるnp2.cfgに記述されている「DIPswtch=3e 73 7b」の値の部分を「3e f3 7b」に変更すればいい。これはSW1、SW2、SW3の値が順に並んでおり、8が最上位ビット、1が最下位ビットに相当する。尚、OFFは1、ONは0と、一般的な感覚からすると全て逆になってるので注意。
- ディスクイメージ選択ダイアログはファイルの位置が表示されなかったり、一部のディレクトリが表示されない等の問題から、SDカードなどのイメージを参照するのが難しいが、/home/zaurusに/mnt/cardや/mnt/cfへのシンボリックリンクを張っておけば比較的簡単に選択しやすくなる。下記のようにターミナルから操作しておけばいい。
bash-2.05$ ln -s /mnt/card sdcard bash-2.05$ ln -s /mnt/cf cfcard