初心者とコミュニティ

SL-C1000発表で何となく思った。コミュニティやユーザーの動きが活発だったPalmHP200LXは元々日本では市場が存在せず、一部の活発なユーザーが日本語化をして、小さいながらも市場が出来、日本語化の成果も会社レベルの製品として取り込まれ、やがて公式にメーカーから日本語化製品の出るきっかけとなった。
だから、自然と新規ユーザーは最初に使い始めた人や日本語化の情報の元となる場所が自然とポータルサイトとなり、コミュニティとなって育っていったんだと思う。
それに比べてザウルスは最初から日本語が扱え、メーカーはこれまでのシリーズのスタンスでビジネスマンをターゲットに製品を販売した。
Linuxが搭載されてはいたが、一般的なLinuxアプリケーションをQtopia環境でそのまま使うことが難しかったため、コンソールを使わない一般ユーザーは興味を示されつつも手を出さないという2極化が進み、情報が一元化しづらい状態に。
さらにQtopiaアプリケーションの開発に対するシャープのサポートや資料提供が十分でなかった(と思う)ために、Qtopiaネイティブアプリケーションを作る人があまり多く現れないし、作者の元にそういった情報交換がされることもあまり発生しない。
考えてみればMIザウルスは、この部分で開発環境や資料、サポートが比較的マシで、MOREソフトコンテストなど情報の集約場があったんじゃないかと思う。
結論としては、情報が集約する場所としてのコミュニティは、国内で普通に使える完成した形でザウルスをリリースしておきながら、その開発サポートや発表の場のサポートが十分でなかったシャープに責任があると思う。
くだらない話だが、Qtopiaアプリケーション開発方法のPDFファイルで、Qtopia SDKが既にダウンロードできなくなっていたり、SL-A300を前提とした書き方から全然改訂されてないのがその証拠の一端だと思う。
とは言え、ここ最近は積極的にバグ対応を行ったり、新しいソフトの無償リリースを行い、そのバージョンアップをしたり、新規に無線LANカードの対応を行おうとしている最近のシャープの姿勢は「やる気」を感じさせてくれるので、ちょっと今後の動向を暖かく見守ってみようかと思った今日この頃。